セミナー

課長命令で社外で行われているストレスマネジメントセミナーに参加しました。


命じられてよくわからないセミナーに参加すること自体実は小さなストレスなのですが、命ぜられれば従う仕事のため、上司のコンドーさん(50歳くらい頭髪薄め長身)とともに、職場から1時間ほどかけてセミナーを受講しに行きました。


移動の途中、電車内でコンドーさんが「おれぁストレスなんてぜーんぜんないかんよ! 逆にどうやってストレスを作るのか勉強しにいこっと!」なんてうそぶいていたので、私がストレスの作り方について教えてあげたりしました。


セミナー会場には、60人ほどの参加者がいて、気のせいかみなさんなんらかの悩みがあるのか憂いた表情をしていました。そこに講師の方が登場し、定刻になるなり10項目のストレスチェックシートを配布し「まずはあなたが普段どれだけのストレッサー(ストレスを与える原因)に晒されているのか確認しましょう」と笑顔で言いました。


私は3項目チェックがつき、こんなもんかなーっと思っていると、コンドーさんは横目でチラリと私の回答を確認し、へへんっという表情で「おれぁチェックなしだぜっ! ストレスZERO!」と、またもうそぶきました。私はただただ感心し、コンドーさんの頭髪が薄めなのは遺伝か悟りを開いただけなのかなーとぼんやり思っていました。すると講師の方が、「えー、まずはチェックがひとつもつかなかった方はいますかー? 」コンドーさんは左ひじを右手で支えながらビシーッと手を挙げました。なんとコンドーさんただひとり。聴衆の憂いた視線が集まる中で講師方は言いました。


「えー、ひとつもチェックがつかなかったひと、それはズバリあなた自身がストレッサーだということです!」


コンドーさんぽかーん。聴衆どっ! 私は瞬時になにかフォローしようと思ったのですが、「あのぅヘーキですよ、私は。」と、うそぶくのが精一杯でした。